前回「民族学と民俗学の違い」について触れたので、その流れで今回は「日本」についてちょっと学んでみます。なので、民族学よりも日本の民俗学に近い内容になるかもしれませんね。
いまのところこの分野の素人である(いずれは最も詳しいと言われることになる)ぼくが知っている文献は網野善彦さんが書いた『「日本」とは何か』なので、その一部から得た知識です。歴史認識については、思想みたいなモノも絡んでくるのでもしかしたらどこかでぼくの認識も変わってくるかもしれないよね。
まずね、「日本」っていう国の名前が決まったのは7世紀末ってことになっている。でも、この部分は教科書には載っていない。その代わりに、2月11日の「建国記念の日」(神武天皇の即位の日)というのがあるけど、著者によるとこれが全くの架空の日なんだって。(でもこれがどうして架空の日って言っているのかについては確認できてないので、調べたいところだよね。)
まあでも歴史学者の中では「日本」っていう名前自体が7世紀末に使われ始めたってことで一致しているので、それ以前の縄文とか弥生時代の日本だとか日本人っていう存在はなかったことになるよね。そうすると、縄文時代の人たちはこの場所に住んでいたけど日本人とは言えないのかもね。
ところで、その7世紀末にできた「日本」って国だけど、いまの日本列島ではなくって、南九州以南と東北北部以北は含まれていなかったんだね。それで、当然の流れで「日本」はその地域を侵略するわけだ。しかし、東北人は意外と強くて12世紀くらいまでは抵抗を続けたみたい。東北すごい! でもここでいう東北人は今の東北人とは別の民族になるのかな。
あとはよく知られているところだけど、北海等・沖縄については19世紀半ばまで日本ではなく、沖縄には琉球王国、北海道にはアイヌ・・ってことですね。
そうなると、ぼくら「日本人」の元はこの侵略者であるんだよね。彼ら祖先はいつからこの地にいて、それこそ単一民族と言えるのか? これに対して著者は、日本国内でも王国が別れていた時代もあって単一国家・単一民族というのはまやかしに過ぎないと切り捨てているんだけれども。このあたりはまた別の機会に調べよう。
次は、日本の中の少数民族について学んでいこうかなと思っています。
アイヌやウイルタ、ニブヒですかね。ギリヤーク人っていうと、村上春樹さんの1Q84が連想されるけどね。ま、その辺は次回に。