俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

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 ブックオフ創業者であり、「俺の~」で飲食業界に革命を起こしたと話題になっている坂本孝さん。勝手なイメージで、「俺の」っていうのはイコール「坂本氏の」ってことだと思っていた。要するに、金持ちの道楽的に自分が好きな高級料理を赤字覚悟で安く振舞いますよってもんだろうと。

 それが、この本によると「俺の」という名称はネーミング会議にて「日本っぽい」「親しみやすい」名称できまったとのこと。
 というかそもそもの話、坂本氏自身がグランメゾンと呼ばれるミシュラン三ツ星レストランを大好きなわけでもなく3万円のフルコースよりも吉野家・・という方のようなので、ぼくの中の勝手な坂本氏イメージは崩れ去りました。


 ホリエモンに対しても同じように思っていたけど、やはりメディアによる評価というか色づけはなかなか拭えないものがあるなと。「俺の」については、以前何かの記事で「俺のイタリアン」のスタッフが疲弊しているようだった、というのを見かけて、ぼくの中でスタッフは低賃金で酷使されているということに脳内転換していただけかな。
 立ち飲み、ということを前提にして考えれば店内が落ち着かない環境であることも許容だと思うし料理の出てくる順番がどうこうってことは関係ないんだろうね。ぼくもフレンチとかちゃんとしたところを知らないから、全然気にならない。きっとそうゆうのがターゲットなんだろう。

 客単価3,000円で高級食材を扱っても利益が出る仕組みにしたこと、そしてそれを実現する人を集める力はすごい。電子書籍でもさらっと読めちゃうような本だけど、このビジネスモデルに至るまでとか、その苦労なんかも感じられた。
 そしてところどころに出てくる稲盛フィロソフィー。坂本氏は盛和塾生で、稲盛氏を崇拝している様子が窺える。さいきん稲盛氏の「生き方」を読んだばかりだから、それを受けての実行を傍観できるって考えると面白い。

 英国屋で仕立てたスーツをその質の良さや価格だけを見て着るのか、伝統を知ってその歴史の重さを感じて身に纏うのかで、同じものでも全く違ったものになるって話を聞いたけど、本の読み方もこれと同じかもしれない。
 手に取る人によって、その本の価値は高くもなるし低くもなる。内容も、読み方次第で浅くもなるし深くもなる。「俺の」とはかけ離れるけど、英国屋のスーツを着てグランメゾンで食事をする、その域に早く達したい。「俺の」は素晴らしいビジネスモデルかもしれないけど、そこで満足する顧客にはなりたくないな、と。そんな感じ。とかいいつつサイゼリヤのエスカルゴ(399円)食べたくなってきた(笑)

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